Brunello di Montalcino ‘93“Case Basse di Gianfranco Soldera”
本日は、このワインを少しご紹介させて頂きます。
イタリアワインの銘醸地、トスカーナ地方。特にその中でも限られた条件を満たしたワインのみが名乗ることができるブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
多くのイタリアワインのなかでも最高峰に位置するワインです。
その中でも本日ご紹介のカーゼ・バッセは数あるブルネッロの中でも唯一無二の存在とされるワイナリー。その生産本数の少なさ、入手困難さから『幻のブルネッロ』と称される1本です。
ある事件をきっかけに、ただでさえ人気があり入手困難なこのワインは、さらに入手しづらい幻のワインとなります。
(2012年の不幸な事件)
ソルデラ氏を逆恨みした元従業員が深夜、ワイナリーに侵入し、熟成樽10個の栓を抜き、熟成中のワインを床にこぼし逃走。
ブルネロを名乗る為には、最低でも50ヶ月以上の熟成期間が義務付けられており、当時の被害額は5億円以上…。
日本の大手新聞や世界のメディアに取り上げられる歴史的大事件に。
(サンジョベーゼ種に込める信念)
2013年3月、ジャンフランコソルデラ氏はブルネッロ ディ モンタルチーノ協会を脱退し、今後は「ブルネッロ ディ モンタルチーノDOCG」ではなく、「トスカーナIGT」としてリリースすることを発表。
この決意の裏側には、一部メルローをブレンドしたワインがブルネッロとしてリリースされていたことが発覚した事件に対して、協会の中からサンジョヴェーゼ100%に固執することはないのではないか、という意見が出されたことに失望したこと、そして2012年にカーゼバッセを襲った悲劇に対して、協会から他の生産者のワインを譲るのでカーゼバッセのワインとしてリリースしたらどうかと提案されたことに腹を立てた、と言われています。
協会の考えに失望し脱退してまで自分の頑固たる信念を突き通し造り上げるワインは、まさに圧感。